1皿100円は今後続くのか?
人件費や物流費の上昇に悩む外食産業。「1皿100円」の低価格を武器に成長してきた
回転すし業界も例外ではない。10月の消費税増税やコストアップの荒波に対して、価格
維持は可能なのだろうか?
今大きな話題となっている、食材費や人件費の上昇にどう対応するかは外食企業にとっ
て死活問題です。特に回転寿司は「1皿100円から」という低価格で家族客の指示を得て
きました。その看板を降ろせば客離れを招くことの危機感は大きいと思われます。
回転寿司業界は価格維持のため、シャリ自動握り機の導入などによるなどによる運営の
効率化が進んでいます。坐席予約システムのようなITの活用にも積極的です。コスト削
減につながるイノベーションを生み出せるかが今後の競争力に直結すると考えられま
す。
最大手のスシローグローバルホールディングスの水留浩一社長のインタビューによる
と、「変えるつもりは全くない。味に加え低価格を求める顧客が多いので、増税によっ
て価格変更をすることはない。また生産性を高めながら人件費の削減に力を注ぐ。」と
述べられました。
関西から始まったスシローは四国や九州でも多く運営しています。一方関東や東北、北
陸などでは人口密度あたりの店舗は少ないので出店余地はまだあると言ってもよい。ま
た北陸などの地域には1皿の価格が高い回転寿司店が多いが、スシローの客単価は1000
円程度なのでまだ勝負はできると思う。
スシローは回転寿司に続く新業態として寿司居酒屋も出店する。3年で100店規模に増や
すとしています。
またスシローは人件費削減につながるスマホでの予約アプリでも成功しています。
アプリは顧客の時間短縮だけでなく、店舗運営の省力化にもアプリは貢献します。アプ
リによる予約機能は、店の受付窓口の人員を減らせる。アプリによって顧客と購買をひ
もづけたデータは、最適な在庫管理や商品開発、顧客に響くマーケティング施策につな
がると思います。
顧客が企業との接点で感じる評価を高めるとともに、外食産業が抱える人手不足の解決
策として、アプリが寄与する余地は大いにあります。100円すしはアプリをうまく活用
して10年後、20年後も生き残っていくことができるのか注目です。